恋
□繋がる
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夜は孤独の時間だ。
生物は眠りにつき、空間は静寂に包まれる。
深夜3時。
織姫はふと目を覚ました。
夜中に目が覚めると、頭がはっきりとしてきて、眠れなくなる。
「……まだ3時かぁ」
上半身だけを起こして、ゆっくりと周りを見渡す。
頼りない灯りが部屋を照らす。
薄暗い部屋は何かと不気味だ。
織姫はぶるりとひとつ身震いをした。
(怖いな……)
外を見ても真っ暗な空間があるだけだった。
(独りは怖いよ……)
布団を持つ手に力を入れ、泣き出しそうになるのをぐっと堪える。
(誰か……)
横を見ると、携帯がある。
おもむろに手に取った。
新規メール作成し、宛先は『石田雨竜』。
『こんな時間にごめんね。
目が覚めちゃって……。
夜は、どうしても怖いんだ。
……迷惑、だよね。』
迷惑だとわかっていても、人恋しかった。
一瞬、躊躇して送信ボタンを押した。
起きてる訳ない、そう思いながらも、携帯の画面を見つめ続けた。