犬夜叉

□小さな命
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       小さな命


りんは、ある異変に気が付いた。
それは、月に一度、女の子が来るアレが、もう三ヶ月もきていないことだ。

しかし、りんは12歳。不順で当たり前な時期だ。

「遅れてるのかなぁ。」

りんはそう思い、深くは考えなかった。


 
これから起こる事も知らずに…。



りんは、いつも様に、邪見とお留守番をしていた。

「邪見さまー。殺生丸さま遅いねぇー。」

「はー。せめて行き先くらい教えてくれてもいいのにのー。」
邪見はため息をつく。

「邪見さま。いつも言ってるけど、ため息つくと幸せが...うっ!」

りんが焼いた魚を食べようとした時だった。

りんはいきなり口を押さえて苦しそうにした。

「どっ!どうした!?どこか痛いのか?!」

「な、なんか、お魚の匂い嗅いだら、急に吐き気が...。」

りんは、ハッとした。


吐き気といい、アレが来ないのといい、これじゃ、まるで...。

「りん、妊娠した..の..かも...?」

りんの思いがけない言葉に邪見はあわてふためいた。

「にっ!!!!!妊娠っっ???!!!!!一体誰の...まっ、まさかっ、
殺生丸様のっ!?そ、そうなのかっ?!りん。」

りんは、まったく身に覚えがないわけじゃなかった。
殺生丸とは、そういう関係にあった。だから子供ができても不思議じゃない。

「りんと殺生丸さまの赤ちゃん...」

りんはそっと、お腹に手を当てた。
うれしい。りんはそう思った。

この中にりんと殺生丸さまの赤ちゃんがいるんだと思うだけで、なんだか、お腹が温かく感じられた。

「りんっ!!う、産むのか!?もし殺生丸さまのお子ならば、半妖という事に...。あぁ、殺生丸様になんとお伝えすれば...。」

そう。りんは、殺生丸様の子を身ごもった事がうれしくて、すっかり忘れていたが、殺生丸とりんの子ということは、すなわち半妖という事...。

殺生丸が半妖である異母弟の事を嫌っていた事はりんも知っている。

その殺生丸が半妖の父親になってくれるのだろうか。

りんの中で黒いものが渦巻く。

未だ、あわてふためいている邪見にりんは、

「邪見さま。赤ちゃんの事はりんが殺生丸さまに言うから、邪見さまは言わないでね。」

と言った。




日が沈もうとしている中、殺生丸は帰って来た。


邪見は殺生丸を出迎える。

「おおおおおお、お帰りないませ殺生丸さまっ!きききき今日は、どどどどどちらまで?」

明らかに、動揺している邪見。

そんな様子に目ざとい殺生丸が気が付かない訳もなかった
殺生丸は疑いの目を邪見に向ける。

「どっ、どうかなさいましたかっ、殺生丸さま。邪見はべべべつに隠し事などしていませんよっ」

「ほー。なんだ?その隠し事とは」
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