神様はじめました

□永遠にともに3
1ページ/6ページ







この世界でたった一人、


巴衛だけが私のことを分かってくれた。

巴衛だけが私のことを守ってくれた。





なんでとか、どうなんて、

そんな事考える余地もなく・・・

あたかもそれが当然の事のように、


私は巴衛を好きになった。





でも・・・


こんなにも好きなのに・・・、


大好きなのに・・・



巴衛は“人間の女は好きにならない”と


私を拒絶して、気持ちを受け取ってくれなかった。



この気持ちを諦めなくちゃならないのかと
思うと、あの時は心が引裂かれるほど悲しかった。






そして・・・



500年もの大昔、雪路さんという人間の女の人と恋に落ち、


その人のために大きな代償を払ったという事実を知った・・・。



過去は過去、

今は今。


そう思おうとしても、

いつも自分と雪路さんを比べてた。



私じゃ巴衛の心に入り込む隙はないのだろうか。

今でも巴衛は雪路さんの事をずっと想っているんじゃないか。




私がどんなに巴衛を想っても・・・

振り向いてなんてくれないんじゃないか・・・。




そんな不安をずっとずっと抱いていた、


あの頃の私が・・・




今の私を見たらどう思うのだろう・・・。





できることなら、

あの頃の自分に、


これから私は、巴衛と結婚式を挙げるんだよって、

教えてあげたい・・・。





そう・・・。

お母さんに病気で死に立たれ、


家に帰ってこないお父さんを一人待ち続けてた



幼い頃の私にも・・・。





“あなたは将来、もう一人で哀しい思いをする事はなくなるんだよ。
あなたの事を絶対に守ってくれる、大好きな妖(ひと)と、家族になって・・・
ずっとずっと幸せになれるんだよ・・・”



って・・・、



伝えてあげたい。











次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ