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□シラー
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俺は、夜にコロネロの部屋を訪れた。
「……ねぇ、コロネロ」
「あ?どうした、コラ」
着々と荷造りを進めているコロネロに
俺は不安げに話し掛けた。
そして、一言。
「…後悔してる?」
その言葉に、ぴたりと手を止めるコロネロ。
そして
「それはどういう意味だ、コラ」と
聞き返してきた。
「だ、だって…この任務に取り掛かった者の
生存率は、10%らしいし…
何も…コロネロが行くこと…
ないんじゃないかな、って…」
シドロモドロな口調で、そう返した。
そんな俺に、コロネロは
はあ、と大きなため息を吐き
俺の手をぎゅ、と握り
ゆっくり口を開いた。
「ツナ、確かにこの任務の生存率は低い。
ない、って言っても
いいくらいだぜ、コラ。
でもな、誰かがやらなきゃいけないんだ。
その「誰か」に、たまたま俺が
選ばれただけなんだよ。」
そして、最後に
「分かってくれ、ボンゴレ10代目」と
付け足して、俺の頭にぽん、と手を置き
コロネロは、部屋を出ていった。
その夜、俺が一晩中、声を殺して
泣き明かした事は、誰も知らない。