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□終止符の朝
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「もう限界」
今まで何度も思ってきたけど
口にするのは初めてだった。
「……あ?」
俺が何を言っても、冷静沈着な彼。
きっと俺が別れを告げたところで
何も変わらないだろう。
いや、変わるはずが無い。
むしろ、彼にとってのお荷物がひとつ減って
喜ぶ、なんてことも考えられる。
あれこれ考えていたら、彼が口を開いた。
「お前、いま何て言った?」
怒ってるのかな、それとも本当に
聞こえなかったのかな?
彼の表情を伺いつつ
俺はゆっくり口を開く。
「もう…終わりにしよう」