TEXT

□絡む想い
2ページ/5ページ




「ほら」


とん、と軽い金属音を立て、
料理がのった皿をテーブルに置く。



「おぉ!すげー!」

「…別にすごくなんかねーよ」


「うっまそー!食っていい?」

「…おう」



作ったのはオムライス。

山本は、子供みたいに
目をキラキラと輝かせながら
ケチャップで何かを描いている。




「見て!」

「ぶっ!!」



目に入ったのは、どでかく描かれた
「LOVE」の文字。


「獄寺への気持ち!」

「アホか…」



そんな言葉を吐いたけど
俺の顔は緩むばかり。



「いっただっきまーす!」

「…いただきます」






「っはー!まじうまかった!ごちそーさん!」

「…おう」



夕飯を終え、食器を片そうとしたら
山本が、俺も手伝う、と一言言い
ニカっと笑った。

食器の量は、一人でもすぐに
終わる量だったけど
俺は素直に、さんきゅと呟く。


すると、山本は目をぱちくりさせて
俺をまじまじと見つめた。

そんな山本を不審に思い
怪訝とした表情で、何だよと返すと
獄寺かわいいってまたニカっと笑った。


そんな山本に対して、
耳まで赤面してしまったことは
言うまでもないかな。





食器洗いも終え、
二人でテレビを見ていると
山本が、不意に口を開いた。


「風呂はいりてぇー」

「─あ、沸いてるぜ…」

「え、沸かしてたっけ?」

「さっき沸かしといた」



夕飯に取り掛かる前に
このことを予測して
湯沸かしをしていたのだ。




「おし!じゃあ入るかー」

「俺あとでいいから」

「え、一緒に入んねーの?」

「あ、あほか!早く入れ!!」



ゆでダコみたいに真っ赤になった俺に
はははーなんて笑いを散らす山本を
無理矢理、風呂に押し込んだ。




「獄寺ー出たぜー」

「んー」


軽い返事をして、山本と
入れ違いに風呂に入った。



「………」


湯に浸かりながら、ふと思う。


(今日、山本泊まる、んだよな?

ってことはやっぱ…

「そういう」展開、なわけ?


…いやいやいやいや

早くね?早いよな?

だってまだ付き合って三ヶ月しか…


…頃合いか




山本は、

どうなんだろ……)



次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ