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□終止符の朝
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夜明けの光が、カーテンの隙間から漏れ

俺の目を細くさせる。


幾度となく組み敷かれ

偽りの愛を吐かれ

いつしか、俺の心はぼろぼろだった。


愛人が何人もいることは承知の上だったし

自分が彼の一番になれないことも

分かってた、はずなのに。


最初は、一番になれなくとも

彼の傍にいられるだけで幸せだった。

けれど、毎晩のように

鼻をつく女物の香水を纏ながら

俺を抱く彼の姿は


酷く愚かで、残酷だった。


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