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□何よりもその口から
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「ごーくーでーらっ」


うっとうしいほど爽やかな笑顔で
俺の名を呼ぶこいつ。



山本武。俺の恋人だ。




「なーなー獄寺〜」


雑誌を見ている俺に

山本は、執拗に話し掛けてくる。


「何だよ、うるせーな」




「"好き"って言って?」


「……は?」


「だーから、好きって言って?」



何を言いだすかと思えば…


「何で、んな事言わなきゃなんねーんだよ」


「だって、俺獄寺に好きって言われたことねーんだもん」


口を尖らせて、そう俺に言う。



まぁ、そんな山本に対して素直に
"好き"だなんて言う俺じゃない。



俺は、呆れたようにため息をつき
「やだ」と、山本を突き放した。



「何でだよー!」

「わめくな、うるせー」



いつまで経っても、俺の隣で
ぎゃあぎゃあ騒ぐ山本。


…さすがにキレる俺。




「あーもーうっせーな!!いい加減黙れ!」

「じゃあ言って」



「……やだ」


「…何で?」

「何でも」


「どして?」

「どしても」



すると山本は、


どーしてもダメ?と聞きながら

衣服の上から、俺の自身に触れた。

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