君から届いた恋文
□君の涙にキスをした
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朝もテニス
夕方もテニス
土日もテニス
王者立海と呼ばれているからと言って、努力を怠っているわけじゃない。
だから俺たちは更なる高みを目指して努力するんだ。
そんなテニス漬けの日々で疲れきっている俺に、唯一の癒しが彼女の侑莉の存在だった。
『お疲れ様。
今日もメニューハードそうだったね?』
「おう!でも俺、天才的だからな!!
楽勝だぜぃ!!」
『頼もしいな〜。
今度の大会も頑張ってね!!』
侑莉と付き合い始めたのは一年の冬。
同じクラスで気が合って、何より毎日楽しかった。
勇気を出した人生初の告白は見事実り、俺と侑莉の交際がスタートした。
そこまでは良かったが、問題はそのあとだ。
俺と付き合い始めたことで侑莉への風当たりはあまり良くなくなり、物が無くなったり、酷いことを言われたりしていた。
でも俺が気付いたときには集団リンチまで酷くなっていたころで、気づけなかった自分を心底後悔していた。
それでも気情に振る舞い、俺の前では笑顔を絶やさずにいてくれる…
きっと俺の想像以上に辛い思いをしているはずなのに…
彼氏らしいことをしてやれない俺の傍にずっと…
最近は大会間近ということもあり、今まで以上に構ってやれない…。
寂しい思いをさせている。
ずっと心にため込んでいるんだ。
『じゃあブン太、また明日ね!』
「おう!また明日な!!」
そう…その笑顔が俺を余計に苦しめる…。
。