ハルヒ(短編)

□・一夜限りの夢
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学校からの帰り道。宿題が面倒だと愚痴る俺に、

「それなら、これから僕の家で、一緒に宿題をしませんか?解らないところはお教えしますよ」

と、古泉が声をかけてきた。あまり乗り気はしなかったが、一人でやるよりはマシだろうと、俺はその誘いに乗った。

そしてさっきまで、テーブルに教科書とノートを開いて、宿題をしていたはずなのだが……。

おい。なんだこの状況は?今、俺は何故か古泉に押し倒されていた。
目の前には、古泉の真剣な顔。
古泉の左手は、俺の両手を頭上でまとめあげ、右手は俺の肩を押さえていた。

「……抱いてもいいですか?」

……笑えない冗談だ。俺にそんな趣味はない。とっととその手を離せ。

「僕は本気です。……冗談でこんな事出来ませんよ」

本気なら尚更質が悪い。
俺は古泉の手から逃れようともがくが、強く押さえられていて逃げられなかった。

「……離せ」

「離しません、答えを聞いていませんから。あなたが好きなんです。……抱いてもいいですか?」

尋ねているくせに、NOと言っても離してくれそうにないのだか。
それに答えなら、今までの俺の態度でわかるだろ。

そもそもそういった質問は、普通押し倒す前に聞くべきだろーが。

「押し倒す前だと、あなたは逃げるでしょう?」

「当たり前だ。……それに、俺には……」

「知ってます。あなたに付き合っている人がいる事は」

「だったら、俺の幸せを願って手を引くとか出来ないのかよ」

俺は古泉から目を逸らし、言い放った。
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