恋愛詩 -Heart-
□作品No.36〜40
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NO.39
隔離病棟
<サナトリアム>
塩漬けした櫻を
紅茶に浮かべて
閉じ込めた春を溶かした
甘い香りに目を閉じ沈んで
櫻貝を拾った浜辺で
知り得なかった夏を
手繰り寄せて
枯らした秋櫻を凍らせた
緋寒櫻は冬の匂いに夢を見て
やがての春に想いを紡いだ
冷めた紅茶に
散った櫻を 凍て付く愛を
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本来は「サナトリウム」と言うのですが
敢えての戦前かな表記。
生きたくても生きられないから
どうか嫌われますように、と。