恋愛詩 -Heart-

□作品No.16〜20
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No.16

桜咲き誇る病室



静かに眠る貴方を前に
オレンジ色の暖かな光が
頭の中で瞬いて。
まるでそう、走馬灯

唇重ねた瞬間
全てが崩れる気がした…

二度と離さないと
誓ったあの日を
振り返ることすら怖くて
笑う事も叶わない
貴方が怖くて。

遥かなる刻を越えて
またもう一度貴方と
巡り逢いたい。
もう一度だけ、
貴方の傍で。
貴方の傍で
生きられるのなら
また貴方のそばで
二人笑いあえるのならば

空から降る、桜色の粉雪。
大地を埋め尽くして、
夢を見させて。
地の果てが
黒く染まっていく。
心が一つ、
音を立てて壊れた…

優しい微風に吹かれて
春は空へと攫われた

冬に支配された貴方。
その指先を
この手で包んでも…

愛してる。
嘘じゃないから。
自分の手で。
美しい終止符を
打つことにします。

冬の残る部屋
真白の桜が見える部屋には
鳴り止んだ電子音と、
壊れた僕。
季節外れの桜、咲き誇る病室



―――――――――――――――
美しく「散る」桜が咲く病室。
題で命の終わりを暗示。
最後の桜は「散りゆく愛」の事。
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