自虐詩 -Diatraction-

□作品No.1〜5
3ページ/5ページ




No.3

手首の想い出



生きている証拠。
欲しくって、欲しくって、
手首をちょっと、
傷付ける。
美しすぎる、一筋の道。
温かさを感じた。

ココにいるよ。
アタシはココにいる。
アタシはココに、
生きているの。



生きている意味。
知りたくって、
知りたくて、
手首を深く、傷付ける。
美しすぎる、溢れる液体。
少しの切なさを感じた。

ココにいるの?
アタシはココにいる?
アタシはココに、
生きていいの?



生きている証拠。
確かめたくて、
確かめたくて、
手首にバイバイしてみる。
転がり落ちる、
小さな手首。
痛みが
アタシを落ち着かせる。

ココにあるよ。
アタシがココにいる証拠。
転がっている、
紅い証拠が。



生きている意味。
判らなくって、
判らなくって。
でも手首がないから、
見付からないから、
腕にバイバイ。
足にもバイバイ。

紅い温もりを感じて、
命の温もり、少し感じた。
でも、生きていく意味は
判らないの。
教えて、アタシに。
空っぽになる、その前に。




―――――――――――――――
人である証が欲しい。
生きている証が欲しい。
傷だらけの躰からの叫び。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ