自虐詩 -Diatraction-
□作品No.96〜100
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NO.97
暗い部屋の片隅で
イルカが優しく瞬くように
何も見ないふりをして
すれ違いざま風切る鳩のように
何も知らないふりをしたい
行き場のない迷路に
迷い込んだみたいに
ただ立ち尽くすしかなくて
星に願いもかけられず
はぜる流星にただ恐れた
無力さは
嘆くためにあるのではなく
役割を知るために存在し
流した血はソレを
肯定するように蒸発する
だからただ涙しながら
僕を殺してと
割れた鏡の歪んだ僕は呟いた
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何も見ず何も聞かず何も知らない。
そうあればきっと傷付かぬと。
だけどそれは浅はかな行為だと知っていて
だからといって、どうする事も
決断も出来ず
ただ、膝を抱えて
うずくまるしかないのです。