自虐詩 -Diatraction-

□作品No.81〜85
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NO.82

舞踏蜘蛛
 <タランチュラ>



奇怪なのは姿
恨んだ手足は絲の絡んだ
繰<ク>人形のように曲がって
躁、操、泣いている

奇怪なのは顔<カンバセ>
鏡に映るは眼の亡い表情
暗い穴から黒い涙
溜、流、哭いている

奇怪なのは思考
絡んだ絲を切り裂いて
鏡に躯叩きつけ
血塗れながら泣きながら
狂い踊る独り舞台

奇怪なのは存在
嘲りを身に染み込ませ
棄てられた心は舞踏
壊れた灯り、腐れた舞台
救いは霞み独りきり



―――――――――――――――
タランチュラって、基本的に無害なんです。
でも姿形から凄く嫌われてる。
そんな生き物に「舞踏蜘蛛」って漢字を当てるの知って
勢いで書きました。
まさに独り舞台、惨めな役者だと思って。
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