悲哀詩 -Lament-

□作品No.1〜5
2ページ/5ページ




No.2

「捨猫哀歌」



「名も貰えずに
捨てられました」
雨に打たれて 泣く声弱く
「人間様の
玩具なのかな」
生まれた意味も無いままで

命さえもが お金で買える
「人間様は何て傲慢」
「なのにどうして
知らない振りを」
「足下にいる
僕らを見てよ」

降り続けてよ これからも
悲しみの雨 涙と共に
僕らを濡らし 慰めて…

箱の中
冷たい雨は 今日も降る
いつの間に 覚えていたか
人の冷たさ
知らないよ
信頼という言葉など
自分すら 信じられずに
ただこの身
朽ちていくのみ


冷たい視線 雨
降り注ぐ
「まるで
汚いゴミのようだ」
「ゴミならいっそ
箱ごと捨てて」
「生まれた事も
消してしまって」

薄れる視界 意識下で
「誰かが傘を
僕らにくれた」
そう感じても 遅すぎで

心さえ
冷たく濡らす 止まぬ雨
憎しみを 湛えた瞳
何も映さず
愛なんて
知る事もなく 生きていく
凍えてく 躰と心
蒼い月 照らし続ける


箱の中
冷たい雨は 今日も降る
心さえ
冷たく濡らす 止まぬ雨
いつの間に 覚えていたか
人の冷たさ
憎しみを 湛えた瞳
何も映さず

「信頼」も「愛」も
知らずに 生きていく
命ある この身と世界
憎み続けて
そう 全て
枯れてしまえば
冷たい雨も
涸れてしまえば…



―――――――――――――――
歌詞調。
身勝手な行動によって傷付くのは弱者。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ