自虐詩 -Diatraction-

□作品No.96〜100
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NO.96

葬る<ほふる>



抉られた胸の痛みが
行き場を失くし
 彷徨っている
いたたまれないと
 眼球は溺れて
夢を見ることすら拒絶して
喉を吐<つ>く嗚咽は
 止むことを知らず
声すらも灼いていく
酸にまみれた指を見て
私は何も掬えないと
 行き場を失くす



―――――――――――――――
「ほうむる」ではなく「ほふる」。
「屠る」ではなく「葬る」。

屠るのは自分。
だけどそれには気付かないから
殺した(失くした)感情や何かを
葬るという行為に至る。
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