悲哀詩 -Lament-

□作品No.6〜10
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No.6

白銀の瑠璃蝶



闇に紛れた蝶
瑠璃色の翅だけが
月の光に照らされて

真冬の風が翅を切り
雪が翅を凍てつかせ
それでも舞は止められず

蝶の想いは白銀に眠る
月は哀しみの色に輝いて
白銀の色だけが世界に染みる
癒えることない傷だけが
瑠璃色の傷痕を残して眠った


月に隠れた蝶
黄金色の鱗粉が
哀しみの色に降り注ぎ

泪と雪は月に凍て
翅は無惨に傷付き
それでも舞は止められず

蝶の想いは白銀に溶ける
降り注ぐ雪は哀しみを帯びて
月の光で憂いの華は咲く
蝶の想いを身に受けて
瑠璃色は白銀に溶けて消えた



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白銀世界に蝶が舞ってるイメージから。
冬は冷たく重い季節。
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