悲哀詩 -Lament-

□作品No.1〜5
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No.1

DECADENCE



煙を吸って、煙を吐いて。
煙は、澱んだ空を
ゆっくりと駆け昇る。

僕の心とは裏腹に、
躯は煙を追い駆ける事を
何故、知っている。

知らない事を
知ろうとして、
焦って駆けて、
総てを知らずに
通り過ぎた。
あの日に戻りたい。

無邪気な戦士、僕の心。
いつか、
貴方の温もりを思い出して
歩く事を
思い出すでしょうか。
素直になる事を
思い出せたら、
ゆっくり、
歩けるのですか。

無邪気な狂気、僕の心。
いつか、
貴方の心を疵付けては
おののいて。
でも、貴方はそのまま。
僕一人、
幸せになるのでしょう。
それは、
偽善だと気付かずに…。

無垢なる日々よ、
空の奥。
聞こえてくるのは
風と樹と、空と海。
詩<ウタ>でさえも、
郷愁に揺られ
意味を無くして哭く。
もう、何も無いのだ。
僕も、
居ないから只、哭く。

空の唄、海の叫び。
水平線の向こうから
聞こえてきた、あの日。
僕は此処に居た。
何も聞こえない、今。
まだ、僕は此処に居る。
安住を求めた訳じゃなく、
只、抜け出す術を
知らないだけ。

無邪気な戦士、
無邪気な狂気、
無邪気な罪、
僕の、心。



―――――――――――――――
退廃的、と云うよりは虚無的な心ですが。
句読点がやたら多いのは、クセです。
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