気まぐれシリーズ☆
□教えろよ?お前のカラダで
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「やってられっかよ、こんなくだらないものなんて。」
自室のテーブルに胡坐をかき、史書ほどの厚みのある、一般人にはわからない本に大学ノートに走り書きをしていた綱吉は、ついに集中の糸が切れ、ペンを投げ出した。
驚くべき事は、これがつまらない、と言っているのは教育義務のある中学生ということだろう。
その家庭教師のイタリアから来た殺し屋リボーンは銃身を確かめるようにして数ある武器を手入れしていた。
初めは、中学の勉強も出来ず、運動もダメ、全部ダメ。
ダメダメダメツナかと思っていたのに。
「うるせー、ちゃっちゃとやれ。お前ぇが『くだらない、面倒くさい』で大学の論文をすっぽかすからこういうことになるんだぞ。」
スポーツ万能、おまけに大学をこそこそ通っているというではないか。
9代目には悪いが、俺がいくことなんてなかった。
俺の倅はすげーだろー。
と、背後で家光が大手を振っているように見えて仕方がない。
とんだ化け猫だぜ。
何度かまた、イタリアに帰ろうかと思ったが、何故かその度に綱吉が『居るよな?』と、愛らしい…これは兎やリスの仕草に間違いない。
伺いを立てるので飛び立とうにも飛び立てず、ずるずる沢田邸に居座ってしまっている。
まぁ、ママンの料理は絶品だし、チビ共は五月蝿いが、綱吉の知識は中途半端なところまでしかない。
そうなると、極めさせたいと思うのが家庭教師の性なのだろう。
ずっと、居るようになったのであった。
「だってくだらない。もっとそそるテーマにしろよって言うんだ。」
今まで書いた走り書きに目を通して、綱吉はごちた。
視線、というよりも殺気をリボーンに飛ばし、『休ませろよ。』と訴える。
「チッ…。30分だけ羽伸ばして来い。」
神聖な手入れ中に視線があると手元が狂う。
さっさと終わらせてエスプレッソでも飲もう。
そう思っていたリボーンを、綱吉は造作なく金属製のベッドの上に引っ張った。
「実践でもするつもり?それはそれで運動になりそうだけど。」
クスクス笑う綱吉は、咄嗟に眉間に銃口を当てセーフティを外したリボーンの右手を掴み、リボルバーを抑えていた。
「さっさとどきやがれ、ダメツナが。」
引き金に指をかけるリボーンは凄まじい殺気を放っていた。
が、今、リボーンの上に跨っているのは普段、学校に行っているダメツナではなく、本性の綱吉なのだ。
悠々自適に笑い、拳銃を手からもぎ取って綱吉は冷たく言い放った。
「リボーンが、教えてよ。
黒服に包まれているリボーンの下半身を愛で、綱吉は一瞬にしてネクタイを首から取り去って細い両腕に巻きつけた。
俺の家庭教師サマ?」
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