白いスケッチブックに鉛の黒が不規則な線を描かれ形になっていく。
私が描いているのはパートナーのフライゴン。船の甲板で見慣れない大海原に興味津々の様子。
すると私と同じ乗客であろう小さい女の子が私のもとにやってきた。
「あのポケモンさん、おねーちゃんの?」
「そうだよ。よかったら、一緒に遊んであげてくれる?」
そう言うと女の子は宝石みたいにきらきらした笑顔でフライゴンのところへ駆けていった。
私のフライゴンは大人しくて優しくて頭がいい。子供の相手をするのも好きだから安心して任せられるのだ。
じゃれあっている女の子とフライゴンを私はまたスケッチブックの新しいページに描いていく。
私はポケモンと人と自然を題材にして絵を描く画家。
まだ見たことのない土地、見たことのないポケモンたちに出会うため、私は生まれ育ったホウエンの地を離れイッシュ地方に向かう船に乗っている。
20110615.
20120516.修正