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□空が泣いた日
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※この長編には暗、グロ、などの要素が含まれる可能性がありますので、苦手な方はご遠慮ください。






遠くからぼんやりと。
耳に届く混沌の渦、鳴動する地鳴り。

瞼を持ち上げると赤黒く揺らいだ空から頬に涙が落ちた。

気が付くと私は固い大地に投げ出されたかのように眠っていた。どうしてここにいるのかも分からない。

何故ここにいるのか、何故こんなところに寝ているのか、ここがどこなのかさえ。嗚呼、面倒臭い。考えるのが面倒臭い。もう呼吸するのも、生きるのもどうでもいい気分だ。


軋む身体に鞭打ち、ふらふらと上体を揺らしてやっと立ち上がると一度軽い眩暈が襲う。

この世の終焉というのはきっとこんな色なのだろう。荒れ地、焦土と呼べばいいのか、焼けて爛れた地面をただ漠然と眺めた。

先程の音はまだ聴こえるが根源が何処に在るのかが分からない。

刹那、

ざっ、と地面を踏む音が後ろから響く。

振り返るとそこに、具合の悪そうな白い男が寂しそうに立っている。

既に雑音は消え去り、葉の無い丸裸の枯れ木に風が吹きつけ枝がカサカサと軋む音を響かせる。

目前に広がる荒野、
赤黒く揺らいだ空から頬に涙が落ちた。



空が泣いた日



20140309.
20110123.


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