「美しい…」一見すると十字架を思い出させる形相(けいそう)、柄から刃の切っ先までの長さというと自分の背丈より大きく、鍔の表面にはディティールの凝った彫り物が施されており、漆黒の刃は光を吸い鈍い藍色を放つ。それはまさに伝説と謳われる黒刀の姿であり、美しいという言葉だけでは申し訳ないとさえ思った。心行くままと黒刀を眺めた後、ミホークは実際に黒刀を手に取りその重みを確かめ、自らの背にそれを背負った。『世界最強』その名と共に、呪いと共に。その偉大な背に抱かれ