リリカルなのは《短編》

□ヴィータさんのお戯言。
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「ヴィータさんと模擬戦ですか?」

休日。

クロノとの買い物で買い溜めてしまった魔導書の処理に勤しんでいた高人に舞い込んできたのは、ヴィータからの模擬戦依頼だった。

「あぁ!高人とはガチンコで勝負した事ねぇし…この際だから、な!!」

「…はぁ」

ヴィータの唐突な誘いに戸惑いながら答えてみるが、休日と言っても特に出掛ける予定もない。かと言って、今日は居候させて貰っている八神家の主さん達も急遽入った不時着した輸送船の探査任務で居ないと来ている。

つまりは、やることが今やっている買い溜めた魔導書の処理くらいなのだ。

「いいでしょう。では管理局の訓練場に行きましょうか」

「そう来なくっちゃな!!」

指鳴らしをしながら喜ぶヴィータを見ながら、高人もクローゼットに掛けていたジャケットを羽織り、部屋を後にしたのだった。














「あれ?訓練場使われてる?」

「…みたいだね」

それから数時間後、FW部隊の訓練の為にバリアブルジャケットに着替えたなのはとフェイトが《使用中》とでかでかと明示された訓練場モニターを見ながらポカンと立ち尽くしていた。

「あ、高町部隊長!フェイト部隊長!」

声を掛けられ、モニターから顔を外せば礼儀正しすぎるくらいに綺麗な敬礼をするティアナ。

後ろを見れば、FW部隊の面々も訓練場のモニターを眺めている。

「ティアナ。誰が使っているか分かる?」

「へ?あ…まぁ…わかりますけど…」

なのはの問いに、ティアナは体を強ばらせながら横目でモニターに目を移す。

なのは達もティアナの目線の先にあるモニターを目にし、なんだろうか。


とりあえず、言葉を失った。












「うおぉぉぉ!!」

「ははは。いい感じですよヴィータさん」

ヴィータの放つ金属の実体弾をものの見事に箸で着かんでは皿に入れて行く高人。

その光景は、まさに豆を器用に掴む芸者のような…




「「「………あ、遊ばれてる…あの副隊長が…」」」

FWメンバーすら絶句してしまう光景に、なのはもフェイトも苦笑すら出来なかったとか。



追記だが、ヴィータ談だが「高人には"防御を突き破っての破壊"の意気込みが心をへし折られそうなくらいに完膚無きまで叩かれたから、すでに諦めてる。」らしい。

彼女にとって高人との模擬戦は新たなる技の悟りを拓くためのインスピレーション運動と言っていた。


まぁ、高人はヴィータの単なる遊びか暇潰しとしか思っていないようだが。




END

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