リリカルなのは《短編》

□やり過ぎお兄さん
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機動六課。

突き抜けそうなくらい良く晴れた日。一区切り着き、ようやく高人が正式に管理局に入局してもう半年が経った。

忙しかった昔とは違い、六課に来てから朝に暇が出来た高人は毎朝、朝陽が昇る前から鍛錬に励んでいた。


高人「はっ…はっ…」

イザナギ《マスター。そろそろ皆さんが起きる時間です。》

高人「…ふぅ。ではそろそろ切り上げますか。」

毎朝三時間程の鍛錬により、高人のシャツは汗にまみれていた。

用意しておいたスポーツ飲料水を口に含み、一息着く。

「城島。今日も早朝鍛錬か?」

座っていた高人に話しかけたのは、今から訓練に入るシグナムとヴィータだった。

ヴィータ「高人は充分強いと思うんだけどなー」

シグナム「いや、ヴィータ。鍛錬を怠ければ、それで己の高みは止まってしまう。高人のように初心を捨てずに鍛錬し続ければ更なる高みを目指せるものだ。」

そう言ってシグナムは訓練に使う木刀で素振りを始める。

高人「ヴィータさんが早朝訓練は珍しいですね」

ヴィータ「えへへ。感心しただろ?」

そうヴィータは自慢げに胸を張った。
それを見て、高人は微笑みヴィータの頭を撫でる。

高人「では、二人とも鍛錬頑張って下さ…」

「「ちょっと待ったー!!」」

朝食を作るためにそう言おうとした高人の台詞を誰かが止める。

高人「…ティア?スバルまでどうしたんですか」

ティア「副隊長達が早朝鍛錬すると聞いたので…」

スバル「私達も今から訓練するんですよー」

そう言って二人が高人に詰め寄る。
それを見ていたシグナムとヴィータが黙っている訳がない。

シグナム「お前達、高人は今から朝食を作りに戻るのだ。そんなに詰め寄ったら邪魔だろう。いや、邪魔に決まっている。」

スバル「何か問題でもありますか?シグナム副隊長。それよりそう言って抱き着いてる副隊長も邪魔じゃないんですかぁ?いや、邪魔に決まってます。」

ヴィータ「高人は鍛錬をし終わったんだ。今からシャワーとか色々するだからお前らもさっさと訓練しろよ」

ティア「いえいえ、私達は私達で鍛錬するんで副隊長達には関係ないですよ♪」

何故か高人の周辺が一気に修羅場に…。困惑する高人を他所に、四人の戦いは更に発展して行く。

シグナム「貴様…己の恥を知れ…いや、私が介錯してやる。そこに直れ。」


スバル「介錯されたらたまったものじゃないですね♪こうなったら殺られる前に殺ですよ」

高人「やけに物騒になってますって二人とも!?」

ヴィータ「てめぇ…どうやらアタシのデバイスの錆になりたいみてぇだな…」

高人「いや斬れないから!それよか、ヴィータさんどこでそんなこと覚えたんですか!」

ティア「私も…引くわけにはいかない!」

高人「引きましょうよティアナさん!」

そう高人の突っ込みを無視して今にも壮絶戦いが勃発しそうな状況だ。


「はぁ…わかりました。イザナギ!」

イザナギ《yes.my Master.》

その瞬間、ブレスレット状態だったイザナギが起動し、高人の手に握られる。

シグナム「……城島?」

スバル「…高にぃ?」

ヴィータ「…デバイスなんか出して…」

ティア「なんの…つもりで?」

四人が冷や汗をかく。
三時間もぶっ通しで鍛錬でき、終わっても一息で呼吸を整える高人。

もし、その高人が教官となったら…


高人「…私が相手になります。皆さん束になってかかってきて下さいね♪」












まさに地獄絵図だ。

















はやて「…シグナムにヴィータ…どないしたん?」

シグナム「…触らぬ神に祟り無し…」

ヴィータ「…早朝訓練なんか…もう嫌…」

最後の力を振り絞りはやての元に戻って力尽きた二人。

その後、訓練室で動けなくなったスバルとティアが発見されたとか。












皐「高人〜昼まで何してたの?」

高人「あぁ、少し鍛錬を…10時間程。」

皐「10時間!?」


END

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