リリカルなのは《短編》

□天使なイタズラ
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「はぁッ!!やぁッ!!」


早朝。
はやて宅の庭では、Tシャツ姿の高人が拳を繰り出しながら鍛錬に励んでいた。

「ふっ…はぁぁ!!」

拳を上、中に撃ち込んだ後、素早く軸を変え回し蹴りを繰り出す。

「はぁぁ……」

体を集中させ、精神を統一する。

「フフフ♪高人さん、ホントに朝から頑張っているんですね♪」

ふいにリビングの方から声が響いた。
高人は鍛錬を中断し、リビングから庭を通す窓際に立つ人物に目をやる。

「おはようございます。シャマルさん」


そう言いながら高人は竿に掛けていたタオルを取り、リビングの窓際に向かう。

「シャマルがこんなに早いのは珍しいですね」

「シグナムに高人さんが鍛錬してるって聞いたんです。だから今日は早起きしようかなと思ったんですよ♪」

そう話ながら、高人はシャマルが開けてくれた窓から床に腰を下ろす。

「お茶、飲みます?」

「いえ、大丈夫ですよ。」

「……」

「……」

しばらく沈黙が互いに続いた。

「あの、高人さん」

「はい?」


先に口を開いたのはシャマルだった。


「なんですかシャマルさん」

「…体を撫でてもいいでしょうか!」


それを聞いて高人は思わず窓の金具に頭を打ち付けた。


「な、な…何を!?」

「あの、高人さんって逞しいし…その…感触を…」

高人は微笑みながら近付いてくるシャマルの言葉の意味が理解できなかった。

それより、あの流れで何故に体ナデナデ…意味が分からない。
「ちょ…シャマルさん!?」

「うわー…逞しいしですね♪」

焦る高人を無視してシャマルは高人の体を撫でて行く。

「こことかも…凄い逞しい…♪」

「っ…シャマルさんってば!」

明らかに怪しい手つきのシャマルも、優しい高人は突き放すことも出来ず、嫌がるがされるがまま状態に…。

「フフフ♪いただきます♪」

「ちょ…シャマルさん!?」

そう正に絶体絶命だった高人だが…




『「……何をやっている?」んですか?』


思わず某機動戦士の主人公すら裸足で逃げたしてしまいそうなプレッシャー。

シャマルの首が壊れかけたオモチャのようにゆっくりと背後に向く。


『私のマスターに何をしてるんですか……?』

「朝から早いと思ったが…シャマル…貴様…」



何故か高人のデバイスであるイザナギを持っているシグナム。

凄い剣幕でレヴァンティンとイザナギを構える。



正に、地獄の閻魔大魔王とサタンがお手手を繋ぎながらこちらに笑いかけてるような…。


「…まぁどっちも遅いけどね。桃色剣士とマスターLoveのデバイスによってここは地獄と化してるし。」


騒ぎを聞き付けた皐が到着した頃には、結界の中、鳴海町の半分が消え去り、シャマルとシャマルを庇った高人の屍が転がっていたそうな。


END

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