リリカルなのは《短編》

□忠犬?
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高人「よい…しょっと!」

ドシンと机の上に置かれたのは、凄まじい分厚さを誇る魔導書。

上司であるリンディに頼まれた魔導書の整理。
普通なら誰もが嫌がる雑用だが、高人も丁度調べものをしたかったので、清く承諾したのだった。

だが、流石に膨大な魔導書の整理を任せるのも忍びないと思ったリンディは…

アルフ「ふぅ…。急に呼ばれたから何かと思ったら、魔導書の整理とは…ねぇ」

となりで疲れた肩を回しながら苦笑するフェイトの使い魔であるアルフを呼び出したのだった。

高人「すいません。アルフさん。急に手伝って貰って…」

アルフ「いいって。アンタはフェイトにとって大切な奴なんだし。それに…」

そう一息吸いながら、アルフはビシッと人差し指を高人に向ける。

アルフ「アンタは、私の大事な後輩なんだしね♪」

高人「ははは…。アルフさんには構いませんね。」

そう高人は微笑みながら、エプロンを手にとる。

高人「アルフさん。せっかくですから夕食、食べて行きません?手伝って貰ったお礼もしたいので…」

アルフ「ほんと!?やったー!久々の高人の手料理だー!」

最近忙しかったので、フェイトの家にも中々来なかった高人。必然的に、高人の手料理もアルフの元から遠く離れていた訳であって…

アルフ「高人の手料理〜♪手料理〜♪なんだ?何を作るんだ!?」

ニコニコしながら台所の高人に詰め寄るアルフ。尻尾や耳がフリフリと動いているのを見て、高人は和む…と心の中で呟く。
高人「じゃあ今日は、アルフさんの好きなものをたくさん作りましょうか♪」

アルフ「やったー♪♪」

そんなアルフを見て、ふと高人は思うのだった。

高人[…マテを言われてる飼い犬の心境って…こんなのなんですかね…]

机の上で律儀にフォークとナイフを持つアルフを見ながら、高人はそんな事を考えながら料理を進行して行く。

そして出来上がった料理。

出来立て特有の嗅いだだけでよだれが出てきそうな臭いが食卓に満ちる。

アルフ「うおぉーー!!美味しそー!!」

高人が次々キッチンから持ってくる料理の品々を見ながら目を輝かせるアルフ。もちろん、高人が言った通り今回はアルフの好きなもの尽くしだ。そのせいか、今回のアルフのテンションも最高潮に高かったりする。

高人「………?」

そこで高人は気が付いた。
普段、はやて宅で料理を振る舞うときは確実と言っていいほどヴィータがつまみ食いする。
その度にはやてがちゃんと頂きますしてからやろ〜!、と怒るが日常風景だ。
…まぁ騒ぐ二人を他所に、新聞を読みながらちゃっかり口を動かすシグナムをスルーしたのは彼女のプライドの為に秘密だ。
だが、アルフは料理が食卓に出てるにも関わらず未だ手を付けていない。体はそわそわしているが決して料理を食べる素振りを見せない。
そんなアルフはこちらに目で訴えてくる。

アルフ[まだ食べちゃだめ?まだ食べちゃだめ?(目力での訴え)]

そんな忠犬ハ○公もビックリするほどこう言うことに関して律儀にしつけを守るアルフに高人は…

高人「…可愛い…」

その後、犬化したアルフをずっと子供のように構う高人に萌えた管理局の局員は居ないとか…。



《おまけ》


フェイト「うぅーアルフめー。なんて羨ましい…」

はやて「それにしても高人さん犬好きだったんやなぁ」

シグナム「…私も…犬耳付けてみるか…」

はやて・フェイト「「!!!??」」



高人「よしよし〜アルフ〜♪」

アルフ「あはは!くすぐったいって高人〜♪」


END

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