ランダム「ありがとうシリーズ」(全7種類)
◆ティエミレ
今回の「ありがとう」はこれ!
ミレイナはいきなりティエリアに抱きしめられた。突然のことにミレイナは驚く。
「アーデさん!?ど、どうしたですか?」
何も言おうとしない彼の表情を伺おうと顔を上げる。
しかし、さらに強く抱きしめられたためどんな顔をしているか見ることはできなかった。
「・・・・・・・・アーデ、さん?」
もう一度名前を呼ぶ。だが、返事はない。
ミレイナはだんだん不安に駆られてきた。どうして黙っているのだろう。
「あ、あの・・・・・・どうし」
「ミレイナ」
「は・・・・はいです!」
「・・・・・・ありがとう。君に逢えて、僕は幸せだった」
「え・・・・・?なんで、そんないきなり、」
どうしてだろう。すごく嬉しい言葉のハズなのに、すごく寂しい言葉のように感じる。
ミレイナはティエリアに抱きついた。
このまま彼を離してはいけないような気がして。
「そんな、いなくなっちゃうようなこと言わないで下さい」
ミレイナがそう言った瞬間、感じられていたぬくもりが不意に消え去った。
「えっ・・・!?アーデさん?」
気がついたら、ティエリアはそこにいなかった。
残っていたのは、強く抱きしめられた感触と、彼の匂いと、ぬくもりだけ。