ガンダム00@

□束の間の休息
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「アーデさ〜ん!はやくはやく!こっちですぅ!」

「全く・・・そんなに急がなくても遊園地は逃げやしないだろうに」

二人は遊園地に来ていた。久々のオフをトレミーで過ごそうとしていたティエリアをミレイナが連れだしたのだ。
最初は乗り気でなかったティエリアだが、ミレイナが余りにねだるので仕方なく行く事にした。

そんなに楽しいのか前に前にとミレイナが先を走って行く。そして少し前で立ち止まり、ティエリアの方を振り返って嬉しそうに笑う。さっきからその繰り返しだ。

その間ティエリアは、ふわふわとなびくミレイナの髪を見つめている。ミレイナが走ると弾むように動き、振り返ると横に半円を描くように動いた。何故だか気になって見てしまうのだった。


そうこうしている内に人が多くなってきた。家族連れやカップルが多いように感じる。
「ミレイナ」
先を弾むように歩いていたミレイナを呼びとめる。
「なんですか?アーデさん」
「はぐれるなよ」
ティエリアが仕方なさそうに微笑みながら言うと、ミレイナは嬉しそうに笑った。
「はいです!」
ミレイナの小さな手がそっとティエリアの手を握る。
あまりに自然な行為だったため、ティエリアは手を握られたことに気付かなかった。
ふと思い返してみたら、ティエリアが手を握ったのはこれが初めてだ。
「・・・?アーデさんどうしたですか?」
手を見つめているティエリアの顔をミレイナが怪訝な表情で覗き込む。
「・・・そういえば、手を握られたのは初めてだ」
そう言うと、ミレイナは目を丸くして驚いた。
「えっ?意外です!」
「・・・そうなのか?」
「じゃあアーデさんは恋人さんと居ても手を繋がないんですか?」

ティエリアはミレイナに色々と勘違いをされているようだった。ティエリアは誰かと手を繋いだことも無ければ、恋人だっていたこともない。そもそも恋という感情自体良く知らないというのに、恋人がいるように思われている事が不思議だった。
「恋人などいたことはないが」
「無いんですか!?てっきりいると思っていたです・・・・じゃあ・・ミレイナと・・・」

ミレイナが何か言いかけた時、悲鳴が響いた。驚いた二人がその方向に顔を向けると、そこにはお化け屋敷があり、一種の威厳をも放っていた。







お化け屋敷編へ続く
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