Fire Emblem

□名前
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戦いの最中、見慣れた背中が目の前に現れた。銀髪が靡き、青年がこちらを振り向く。
「イレース、大丈夫か?」
「私は、大丈夫です・・・ツイハークさんは・・・」
「俺も問題無いよ。ここからは一緒に行こう」
「はい・・・」
いつ見ても、ツイハークさんの剣技は凄い。流れる剣先が尾を引いて、光って見える。
以前共に戦った時となんら変わらない、むしろ更に磨かれた動き。それは傭兵という彼の立場から身についたものだろうが、それにしても滑らかすぎてみとれそうになる。

しかしここは戦場だ。本当にみとれてしまえば命取りになる。
ツイハークが剣士に一撃を加えると、陰から魔導師が現れた。向かっていこうとするツイハークを止める。
「・・・私が、」
「ああ。頼むよ」
イレースの黄色のマントが翻り、手にした魔導書から雷撃が生じる。雷でも落ちたかのような音がした。






「・・・お腹、空きませんか?」
周囲の敵を一掃してから小声で一言。すると、ツイハークがくすりと笑った。
「さっき奢ったばかりじゃないか」
「すみません・・・」
沈黙。
しばらくして、それに耐え兼ねたかのように口を開く。
「・・・戦いが終わったら、何か食べようか」
「はい・・・・・!」
イレースは弱々しささえ感じられる程の小さな微笑みを浮かべた。


何となく側にいるのが心地好くて、気が付けば名前も覚えてました。


私はこの名を忘れはしないでしょう。

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