A
□答えはすでに
1ページ/1ページ
ずっとそこにあると信じていたものが無くなってしまったら。
自分は一体どうなってしまうのだろう。
「イノベイターさん、ちゃんと捕まってくれるでしょうか」
「なにを言ってる。捕まってもらうんじゃなくて捕まえるんだ」
作戦開始前、ふと呟いたらティエリアに突っ込まれた。
これから始める戦いでイノベイターを捕獲する予定なのだが、ミレイナは不安を拭いきれなかった。何か、嫌な予感がする。
眉間にしわを寄せて唸り声をあげた。
「むー・・・」
「・・・どうしたんだ」
「・・・・・・むー」
「ミレイナ?」
ティエリアがルビー色の瞳でミレイナを見た。
その綺麗な瞳を見たら、不安だった心が すっ、と楽になった。
ミレイナの顔に笑顔が戻る。
「・・・まぁ、今心配しても仕方ないですね!」
それを見ると、ティエリアも自然と笑みがこぼれた。
「あ、アーデさん一つ聞いていいですか?」
「なんだ」
「ミレイナがいなくなったら、どう思うですか?」
素朴な疑問。
ミレイナは、アーデさんがいなくなってしまったら悲しいです。
アーデさんは、ミレイナがいなくなったらどう思うのだろう。
ちょっとでも悲しんでくれたら嬉しいな。
あ、でもアーデさんが悲しむのは嫌。
うぅん・・・複雑ですぅ
「ミレイナ・・・・・・・今日は熱でもあるのか?」
「え?」
ティエリアが怪訝そうな顔をして溜め息をついた。
質問に質問を返されてミレイナはきょとんとする。
「・・・君がいなくなるなんて有り得ない。
僕が呼ばなくったって、気が付いたら側にいるのだから。」
「確かにそうですけどぉ・・・真面目に答えて下さいです!」
ミレイナが頬を膨らませると、ティエリアは笑った。
「真面目に言ってるに決まってるじゃないか」
正直、ミレイナがいない日常が想像出来ない。
側にいるのが当たり前すぎて、