A

□答えはすでに
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ずっとそこにあると信じていたものが無くなってしまったら。

自分は一体どうなってしまうのだろう。













「イノベイターさん、ちゃんと捕まってくれるでしょうか」
「なにを言ってる。捕まってもらうんじゃなくて捕まえるんだ」

作戦開始前、ふと呟いたらティエリアに突っ込まれた。

これから始める戦いでイノベイターを捕獲する予定なのだが、ミレイナは不安を拭いきれなかった。何か、嫌な予感がする。
眉間にしわを寄せて唸り声をあげた。

「むー・・・」


「・・・どうしたんだ」







「・・・・・・むー」




「ミレイナ?」
ティエリアがルビー色の瞳でミレイナを見た。
その綺麗な瞳を見たら、不安だった心が すっ、と楽になった。

ミレイナの顔に笑顔が戻る。


「・・・まぁ、今心配しても仕方ないですね!」





それを見ると、ティエリアも自然と笑みがこぼれた。





「あ、アーデさん一つ聞いていいですか?」

「なんだ」









「ミレイナがいなくなったら、どう思うですか?」




素朴な疑問。


ミレイナは、アーデさんがいなくなってしまったら悲しいです。







アーデさんは、ミレイナがいなくなったらどう思うのだろう。

ちょっとでも悲しんでくれたら嬉しいな。





あ、でもアーデさんが悲しむのは嫌。





うぅん・・・複雑ですぅ








「ミレイナ・・・・・・・今日は熱でもあるのか?」


「え?」

ティエリアが怪訝そうな顔をして溜め息をついた。
質問に質問を返されてミレイナはきょとんとする。










「・・・君がいなくなるなんて有り得ない。
僕が呼ばなくったって、気が付いたら側にいるのだから。」







「確かにそうですけどぉ・・・真面目に答えて下さいです!」


ミレイナが頬を膨らませると、ティエリアは笑った。
「真面目に言ってるに決まってるじゃないか」







正直、ミレイナがいない日常が想像出来ない。






側にいるのが当たり前すぎて、

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