A

□「最後」を永遠に
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「あ、雪です!」
地上におりて買い物をしていると、知らぬ間に雪が降っていた。
はらはらと、わたあめのような白が地面に落ちては消えてゆく。

「この雪、積もったらいいですね!」
ミレイナが空を見上げながら笑顔で言った。
「そうだな」
ティエリアも彼女と同じように空を見上げる。

雪は雨よりも優しく降り注ぐ。
その流れを見つめていると、雪が地面に落ちた時、溶ける前に一瞬白く輝く事に気が付いた。



その輝きはまるでダイアモンドのようで、



「ミレイナ」
「何ですぅ?アーデさん」
「・・・綺麗だな」

ミレイナを見て微笑むと、彼女は一瞬きょとんとしてからまた笑った。
雪に負けず劣らずの輝きと共に。




それから、ミレイナの頭の上に雪が積もっているのに気付き、そっと手で払い除けた。
傘を持っていないのでこれ以上長居するわけにはいかない。
「そろそろ帰ろう。このままでは風邪をひいてしまう」

「はいです!」

歩くティエリアの隣にミレイナがついて歩く。
その位置はいつも彼女の定位置になっていた。














気が付けば側に居て、

優しくて、

癒されて、

眩しいくらい綺麗で。




もしかすると雪と人間は似ているのかも知れない。



雪の輝きと同じように、誰にでも輝く時はある。
それが出来るだけ長く、永く続けばいい。








幸せだったと、思えるように。

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