翻訳の5題
□Traduttore,traditore.
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「アーデさん!」
出撃する直前、ミレイナに声をかけられた。
その顔はほんのりピンク色に染まっている。
「どうした、ミレイナ」
「あの・・・」
スカートの裾を握り締め、何か言いにくそうにしていた。思い切って喉まで出かかっていた言葉をしぼりだすのに数秒かかる。
「絶対、帰ってきてください・・・・・・大好きです。アーデさん」
仲間としてだけではなく、ミレイナ・ヴァスティとして、
アーデさんが好きです。
そんなミレイナを見て、ティエリアは微笑んだ。
「僕も君が好きだ、ミレイナ。
大切な仲間だからな」
そう言って彼はセラヴィーに搭乗する。
ミレイナはそれを笑顔で見守った。
「・・・今はこのままが良いです。でもいつか、ミレイナを、」
一人の女の子として見てくれる日が来たら
それほど幸せな事は無いです