BooK
□掌
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いつだって考えてしまう。
いつか来るあなたとの別れを。
幸せになればなるほど、
痛みが増す。
-巡りめぐる季節-
「ゆりっぺは私と出会えて良かったと思う?」
「なっ、急に何言い出すんですか?」
唐突に私が変な事を聞き出したものだから、
ゆりっぺは目を見開いて私を見つめてきた。
「だから、出会えて良かったと思う?」
「・・・当たり前じゃないですか。」
少し間を置いて言われたその言葉は、
彼女が照れてる証なんだろう。
そんなとこも、可愛いなーって思う。
「そっか、それなら良かった。」
さっきまで読んでいた本に目を戻す。
何かいいたげなゆりっぺを尻目に私は読書を再開した。