小説:自重シリーズ
□無機細胞(ナノマシン)仕掛けの黒猫
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俺様の名前は…認めたくねぇが〈雄型グラスホッパー:ガンマ・シリーズ〉。認識番号は忘れた。
昆虫の能力を持った強化人間…いわゆる『インセクト』なワケ。
ちなみに俺様は、〈キリギリス〉の『インセクト』。
周りの奴らは俺達の事を兵器呼ばわりするけど…
俺達〈兵器〉じゃねえよ!ちょっと『人間』より強いだけの『人間』だもん。
…それはさておき、
俺様には、と〜ってもステキな恋人がいるんだもんね〜。
どうだ?ウラヤマシイだろ〜?
でも…『カノジョ』じゃなくて、『カレシ』なんだな、これが。
「…あっ…ああ…んっ…」
「〈アント〉ちゃん…キモチ良い?キモチ良い?」
「ああ…あ、はあっ…ああっ!」
これが俺様の恋人、
〈アント〉ちゃん。
正式には、〈雄型アント・シリーズ〉。認識番号はやっぱ忘れた。
この世の何よりも綺麗で、誰よりも大好きな、俺のたった一人の大事なヒト。
…言っちゃった!
何といっても、死ぬしか無かった筈だった俺の事を助けてくれた、命の恩人でもあるわけ。