小説:自重シリーズ
□〈アリ〉と〈キリギリス〉
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『…仮想リンク、レベル3に移行…』
俺が今いるとこ?
狭っ苦しい検査室。
左右と後ろは真っ白な壁で囲まれてる。
目の前にいるのは…多分、白衣着た数人の研究員。
何で『多分』かって?
だって、今ヘッドギアみたいの被らされて目の前見えないんだもん、俺。
でも、真っ暗って訳じゃないよ?
どんなに目をつぶっても見えてきちゃうんだよな…
戦闘機から見る空と地面。
昔、シラフなのに〈ナノマシン〉とかいう変な物注射されたガキの俺。
頭ん中に勝手に流れ込んで来る、色んな奴らが見た戦場。
あと、何かモヤモヤドロドロした、これから起こるだろう何かの映像。
頭痛ぇよ…
カラダに繋がれたコードのとこがシクシク痛むんだよ…
検査してる奴ら、何で勝手に俺の頭ん中覗いたりしてんだよ…
クルシイ、
イタイ、
コンナノイヤダ…
お前達の〈兵器〉なんかに、誰がなるか。
俺…
何にも知らないのに、
マダ、シニタクネエヨ…!