玉響〜symphonia〜
□taste
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―――――――次の日
身体のあちこちがイタイ。
オネエサマ、凄すぎだ…。
「なんだい?その無様な格好は」
「昨日、しいなが帰った後大変だったのよ〜?」
「自業自得じゃないか」
「そんなことねーよ!」
「あるだろう?…ホテルから出てきた時、イキイキしてたじゃないか」
「イキイキ?…ってか見てたの?」
「ちょうどバイト帰りだったからね。『次はいつがいい?』とか言われてたじゃないか」
なんで見てたのに『イキイキ』とかいう言葉が出てくるんだよ?
俺様、身も心もガタガタだったってのー!
「しいなちゃん、もしかしてヤキモチ〜?ごめんねぇ?」
「なっ…何であたしがモチなんて焼かないといけないんだい!アホ!!」
「照れんなよ〜」
「寝言は寝てから言いなっ!」
軽く一発。お〜こられちゃったぁーーー。
そのままご機嫌ナナメに本日終了…。
いつの間にか教室を出たしいなを探して門のトコまで行くと、オネエサマと喋ってた!
「今日は貴女に会いたかったのよ」
「あたし?」
「そう!貴女も本番の撮影を見に来ない?」
昨日はホテルに行ったけど、色っぽい展開は全くなく(仕掛けたが全部うまくあしらわれた)、試し撮りで色々なポーズを取らされ、筋肉痛になった。
普段使わないようなトコ使うから…。
で、本番の撮影は泊まり込みだっていうのは聞いた。
「場所はホテルより素敵よ。私の別荘にあるアトリエ。近くには森や湖があってね、デートにも最適」
と言っていらっしゃった。
「なんであたしが…?」
「泊まりってどうなのかと思ったのよ。ゼロスくんはあの通りだし」
「今更そんな…」
しいなが少し赤らんだ顔を伏せる。
「あ、昨日は何にもなかったわよ?危なかったけど」
「え?」
「何にもしてないわよ?試し撮りで終わっちゃったから。色んなポーズ取らせたから筋肉痛になっちゃってるんじゃないかしら?」
「筋肉痛…それであんな…」
「こよりサーン!」
「あらゼロスくん。どう?本番に彼女同伴」
「かっ…彼女じゃありません!」
慌てて否定するしいなをスルー。
「ナイスですよ!ますます頑張っちゃいますよー!」
「でしょ〜?」
「ななな…なんであたしが…そんな……」
「あ、しいなやっぱ無理?じゃ、こよりサン、次こそは是非」
美しいその手に口付けを落とす。
「アラ困っちゃうわね〜」
絶対困っていらっしゃらない…。
「ゼロス!このアホ!色魔っ!!」
「色魔でけっこー♪寝させませんよ〜?写真なんて撮るヒマ無いくらいに…ね?こよりサン」
「…!」
これでどーだ?