玉響〜symphonia〜

□taste
3ページ/9ページ


―――――――次の日

身体のあちこちがイタイ。

オネエサマ、凄すぎだ…。

「なんだい?その無様な格好は」

「昨日、しいなが帰った後大変だったのよ〜?」

「自業自得じゃないか」

「そんなことねーよ!」

「あるだろう?…ホテルから出てきた時、イキイキしてたじゃないか」

「イキイキ?…ってか見てたの?」

「ちょうどバイト帰りだったからね。『次はいつがいい?』とか言われてたじゃないか」

なんで見てたのに『イキイキ』とかいう言葉が出てくるんだよ?
俺様、身も心もガタガタだったってのー!

「しいなちゃん、もしかしてヤキモチ〜?ごめんねぇ?」

「なっ…何であたしがモチなんて焼かないといけないんだい!アホ!!」

「照れんなよ〜」

「寝言は寝てから言いなっ!」

軽く一発。お〜こられちゃったぁーーー。

そのままご機嫌ナナメに本日終了…。

いつの間にか教室を出たしいなを探して門のトコまで行くと、オネエサマと喋ってた!

「今日は貴女に会いたかったのよ」

「あたし?」

「そう!貴女も本番の撮影を見に来ない?」

昨日はホテルに行ったけど、色っぽい展開は全くなく(仕掛けたが全部うまくあしらわれた)、試し撮りで色々なポーズを取らされ、筋肉痛になった。
普段使わないようなトコ使うから…。

で、本番の撮影は泊まり込みだっていうのは聞いた。

「場所はホテルより素敵よ。私の別荘にあるアトリエ。近くには森や湖があってね、デートにも最適」

と言っていらっしゃった。

「なんであたしが…?」

「泊まりってどうなのかと思ったのよ。ゼロスくんはあの通りだし」

「今更そんな…」

しいなが少し赤らんだ顔を伏せる。

「あ、昨日は何にもなかったわよ?危なかったけど」

「え?」

「何にもしてないわよ?試し撮りで終わっちゃったから。色んなポーズ取らせたから筋肉痛になっちゃってるんじゃないかしら?」

「筋肉痛…それであんな…」

「こよりサーン!」

「あらゼロスくん。どう?本番に彼女同伴」

「かっ…彼女じゃありません!」

慌てて否定するしいなをスルー。

「ナイスですよ!ますます頑張っちゃいますよー!」

「でしょ〜?」

「ななな…なんであたしが…そんな……」

「あ、しいなやっぱ無理?じゃ、こよりサン、次こそは是非」

美しいその手に口付けを落とす。

「アラ困っちゃうわね〜」

絶対困っていらっしゃらない…。

「ゼロス!このアホ!色魔っ!!」

「色魔でけっこー♪寝させませんよ〜?写真なんて撮るヒマ無いくらいに…ね?こよりサン」

「…!」

これでどーだ?
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ