玉響〜symphonia〜

□taste
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「貴方がゼロス・ワイルダー?」

しいなにくっついて校門までやってきたら、色っぽいグラマラスなオネエサマが現れた。

「…へぇ?」

横目でチラリとこちらを見るしいな。
あ、また誤解してる?

「ちょっとちょっとしいなちゃーん、違うよ?初対面よ?」

「会ったことない人にまで名前、知られてるのかい?」

疑いの眼差し。

「ホントよー?」

信じてくれそうにない。

「お嬢ちゃん、ホントに彼とは初対面よ?噂は聞いてたけどね」

うわぉ。オネエサマの流し目たまらんねー。声から色気が滲み出ておられる。

「おネエさん、俺様に何の御用?」

「名乗ってなかったわね。私は富士峰(ふじみね)こより。カメラマンよ」

「富士峰こより…?koyori!?」

「あら、お嬢ちゃん詳しいわね」

「koyori?」

「元モデルで有名なファッションショーにも出てて、今はプロデューサー業とか、カメラマンをやってる有名人だよ!エッセイ読んだことある!」

「…そんな有名人様が俺様に会いに来てくださるなんて何ゴト?」

「次に出す写真集のモデルをやって欲しいの」

「モデル?俺が?」
「コイツが?」

「そう!詳しい話をするには場所が悪いわね」

そうして車に連れていかれる。

「あたしもかい!?あたしは今日はバイトが…」

「送ってあげるわ」

喫茶店に強制連行。

しいなは途中で車を降りた。

「行っちゃうのかよ〜?」

とか追いすがったら、一発殴られ

「暑苦しい!この馬鹿」

だって。冷たすぎるっしょー?

おネエさんは笑ってた。

「仲がいいのね」

って。

美女と二人で喫茶店なんて、ドキドキのシチュエーション。どうせならホテルとかの方が燃えるが…

「…引き受けてもらえないかしら?」

「綺麗なおネエさんからの誘いは断れませんよ〜。あ、続きは是非ホテルで」

「本当に噂通りね。じゃあちょっとホテルに行ってみようかしらね?」

うっひゃ〜さすがに世慣れたオネエサマは違うね。あからさまな誘いにも動じない。
最近おとなしくしてたし、楽しくなりそうだなぁ。
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