玉響〜symphonia〜
□水
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林間実習の時に同じ班だった、中学生のロイド・コレットと小学生のジーニアスはすぐに見つかって、5人で高校の生徒会室に向かう。
「リフィル先生、何の用なのかな?」
「いきなりすぎるよね。姉さん朝は何も言ってなかったのに…」
「ま、いいじゃん。生徒会室だって!ワクワクするなぁ〜」
「あ、そういえばジーニアス。聞いてみたいことがあるんだけど、いいかい?」
「何〜?」
「たぶんアンタと同じ年くらいだと思うんだけど、ピンクのツインテールで青鼠色の瞳の子を知らないかい?」
「え?同じ年くらいで…?」
「プレセアせ〜んせじゃないのかぁ?」
「先生!?」
「あー外見年齢は確かに僕くらいだね。綺麗でかわいいよね!」
「おんやぁ〜?ガキんちょ顔が赤いぜぇ?」
「べ、べべべ別にそんなことないやい!」
…ジーニアスはどうやらゼロスの言う『プレセアせ〜んせ』が好きなようだ。でも…先生?
「なんだいゼロス。あんな小さい子に勉強でも教えてもらってんのかい?」
リフィルとロイド・コレットのこともあるし、聞いてみる。
「プレセア先生は本当に先生だよ!僕らに勉強教えてくれるんだ」
「え?」
「プレセアせんせは外見は小学生な小学校の先生なんだぜぇ?ちっちゃな美少女さんかと思えば、俺らより年上よぉ!」
「そうなのかい!?」
あの外見で?何だか信じらんないね…。
そんな話をしていたら生徒会室に着いた。
ドアをノックする。
「藤林しいなです」
「入ってちょうだい」
中から返事があったからドアを開ける。
「失礼しまーす」
入ってみると、そうそうたる生徒会メンバー様がズラリ。生徒会長に生徒会副会長、生徒会書記長にリフィル。うわ…。
「アナタ達を呼んだのは他でもないわ、林間実習の時のことよ」
…何かやったかねぇ?
ゼロスが陰で女の子を襲ったとかいう事実があったのかね?それならゼロスと…一応班長のあたしだけでいいよね…。みんなを呼ぶ必要は…
「アナタ達の班は…」
なんだい!?
「班対抗ゲームなどで一番優秀で、二日間ともに一位。もちろん総合でも優勝」
「だから何だよ〜?リフィル先生」
「コホン。よってアナタ達の班に優勝賞品として、海の楽園アルタミラ1泊2日チケットをプレゼントします」
「はぁ!?あのチャラチャラしたリゾートかい!?」
「わ〜ぉ!いいねぇ海!最高だねぇ!」
「な、なんでいきなりそんな…」
「それについては僕から説明しよう」
生徒会長が立ち上がる。眼鏡をかけていて、いかにも勉強が出来そうな雰囲気だ。確かリフィルと噂があるんだよね…本当なのか知らないけどさ。
「とある筋からアルタミラ招待券をいただいたのだけど、人数が限られていてね。…先日の林間実習で班対抗にした割に賞品らしきものはなかったし、無駄にするのも悪いし君たちを招待しようと思ってね」
「そういうことかい…」
「何名様ご招待?」
ゼロスが聞く。
「10名だ。我ら生徒会と君たちだね」
「ちゃっかり自分たちも行くって訳ね」
「元々は生徒会への労いでいただいたものなのだけど、この通り人数が少ないものだから…」
「ナ〜ルホドね。で、日時は?」
「二週間後の創立記念日よ。ちょうど四連休の二日目にね」
なんか話がどんどん進んでいってないかい?
「オーケーオーケー。俺様大歓迎よ」
「楽しみです〜」
「アルタミラだってさ!すげー」
「ま、たまにはいいよね」
なんでみんな乗り気なんだい…。
「しいなチャンも行くでしょ〜?班長なんだし」
あたしはああいうチャラチャラしたリゾートは苦手なんだけど…みんなが乗り気だし、これで行かないっていうのもね…。
「…分かったよ。集合時間はどうなるんだい?」
「近くなったらまた連絡させてもらうよ」