暁闇〜the abyss〜

□逆チョコ大作戦!
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ルーク×ティア



「ティ〜アッ!」

「きゃっ!何よルーク、どうしたの!?」

突然、夕食の準備中に後ろから抱きついてきたのは大切な私の弟(みたいなもの)のルーク。

「わり…びっくりさせちまったか?」

「…まぁね。それで?」

「へへ…コレ。ティアにやる」

そう言って渡されたのはチョコレート。

「どうしたの?」

「いっつも世話になってるし。バレンタインはホントは世話になってる人に感謝を込めてプレゼントする日なんだろ?だから、ティアに」

…どこでそんなことを習ってきたのかしら?でも……

「嬉しいわ。ありがとう」

「どーいたしまして」

嬉しそうに笑う顔を見ると、私もつられてしまう。

お小遣いを人のために使うことなんて、普段はないルークの、大切な、気持ち。

「…喜んでくれて、スッゲー嬉しい」

そんなことを言い、甘えたように顔を私の首筋に埋める。

世話の焼ける子犬みたいな弟。

そっと赤色のふわふわした頭を撫でる。

「美味しい夕食作るから」

「うん…ティアの手、きもちいい」

猫みたいにすりすりと頭を擦り付けてくる。

「…もう。いい子にして待ってて、ね?」

パッと離れて少しふてくされる。

「子ども扱いするなっつーの!」

まだまだそういうところが子どもなのよ。

とは、言わずにおいた。
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