玉響〜symphonia〜

□wine and dine
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「ゼロス〜ワインって美味しいねぇ!」

「だっしょー?しいなのいつも飲んでる日本酒とは違った美味しさがあるでしょ?しかもこのワイン、なかなかの年代モノよ?」

「どーしたんだい?これ〜」

「なんかお客がくれた。一人で飲むのもいいけど、女の子と飲むとまた格別だなぁ。しかもしいなだし」

「ど〜ゆ〜意味だ〜い?」

「更に美味しいってこと。芳醇な香りに包まれて極上の女と過ごす夜…最高だなぁ」

「あっはっは!な〜に言ってんだい!まだ陽も暮れてないよ!」

「何言っちゃってんの?メインディッシュはしいなだぜぇ?」

「へ?何言ってんだい!他の女と同じよ〜に口説いてもオチないよォ?」

「ハハ。違いねぇ!」

…楽しいんだけど、さっきから何かしいな、おかしいよな?
まぁ酒のせいか。
でもそんなに弱かったか?
えーっと…前に飲んだ時はぁ……

ん?
右肩に、熱…?

視線を向けると熱っぽい瞳とぶつかった。

「し、しいな!?」

「ん?何だい?ゼロス」

「な、何って…」

近いんですけど!?ま、まぁ、いっか。たまには…な。
それより、考え事の続きでもしよう。

えっと、前回飲んだのは…

日本酒の…大吟醸だったけな?
冬で、熱かんで干したイカとかを肴にして飲んでたんだよな。

温泉も絶品だったなぁ。
しいなの湯上がりの浴衣姿も良かった。
石鹸のい〜い香りがして、色っぽくて…

「ゼ〜ロス。何、考えてんだい?」

しいな…!?
すり寄ってきた上に甘え声。
ホントに何事!?

「あ、いや。しいなと一緒に大吟醸飲んだ時のこと思い出してさ」

「あそこの温泉、良かったねぇ。コレットは大喜び。男湯も賑やかだったんじゃないかい?ロイドとか泳ぎ出しそうだよね」

「あー確かに大騒ぎ。ロイドどころかジーニアスまで端から端まで泳いでたぜぇ?」

「やっぱ偉ぶってても子どもだねぇ〜」

「女湯も楽しそうな声聞こえてたじゃん」

「まぁねぇ。大盛りあがりだよ。また、みんなで行きたいね」

「そ、ねー。またあの温泉入りたいなー。あ、しいなと二人旅行ってのもいいけど♪」

「ハハハ。ゼロスと?二人で?でもまたあの大吟醸で飲み明かしたいね」

そうだった。確か、リフィル先生とリーガルと俺としいな、プレセアちゃんも一緒に飲んだんだよな。

意外にみんな強くて、最初に「失礼する」ってリーガルが部屋に帰って、酔ったリフィル先生が遺跡モードで講義を始めて…真顔で黙々と飲んでいくプレセアちゃんも凄かったな。

しいなはほろ酔いで笑いながら飲んでた。

ほんの少し前なのに、懐かしい。

「…ゼロス」

しいなが突然首をもたげ、目を閉じて顔を近付けてきた。

えぇっ!?
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