玉響〜symphonia〜
□gently
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「藤林!」
休憩中。
突然、女性の声が響く。
声のしたドアの辺りを確認すると、ショートカットで切れ長の美人が立っていた。
見たことないぞ?
「先輩!」
嬉しそうにしいなが走って行く。
「久方ぶりだな」
「ホントに!帰って来られたんですね」
「ああ。同じ学校に入ったと聞いたから来てみたのだが…変わらないな」
「先輩も」
「しいなちゃーん。誰〜?」
「中学の部活の先輩だよ。留学していらっしゃったんだ」
「留学ぅ?へぇー。お美しい貴女。お名前は?」
「セルシウスという」
「セルシウス先輩♪綺麗ですね〜」
「そうだろうか?それで、藤林、この者は何だ」
「あー、クラスメイトです。ゼロス・ワイルダーっていう」
「名を聞いたことがあるな」
「一応、学校で一番有名みたいです」
「そうなのか…?」
「ええ。なぜか」
「また、茶でも飲みに行こう。都合がいい日はあるか?」
「あ、今日の放課後とかバイトもなくて暇です」
「私も今日は大丈夫だが…」
話が進んでいく。
「ちょっとぉーしいなちゃん!今日、俺様とデート…」
「そうなのか!?それはすまなかったな」
「ちょっ、ゼロス!…先輩!大丈夫です。コイツいつもこんなんなので!約束も何もしてません!お茶しに行きましょう!」
「しかし…」
「久しぶりに先輩とゆっくり話したいです!」
「しいなちゃーん」
「ガタガタいつまでも情けない声出してんじゃないよっ!!」
「ひどいーーー!」
「…藤林。じゃあ彼も一緒に行くというのはどうだろうか?」
「先輩!いいんですよ。こんなバカ放っておいて」
「冷てぇーっ!!」
「彼とも話してみたい」
「え゙っ…コイツと喋っても何もありませんよ!」
「そうだろうか…?」
「いいじゃーん。しいなぁ〜」
「気持ち悪い声出してんじゃないよ!ったく。…先輩がそこまでおっしゃるのならコイツも連れていきましょう」
「ああ。では放課後に」
「ハイ」
セルシウス先輩が帰って行く。
「クールビューティーッ♪更に優しい!」
「…先輩に変なことしたら承知しないよっ!?」
「おー怖ぁっ!」
一体どんな部活をしていたか、そういえば聞いたことがないな。
お茶しつつ聞いてみようっと。