玉響〜symphonia〜

□sWeet Days
1ページ/8ページ

保健室に花を届けに行った。

外はどんより曇りだけど、困ったような笑っているような顔をしてクラトス先生が迎えてくれて

「ありがとう。今回の花も綺麗だ」


と言ってくれて、私の気持ちは晴れ晴れだった。





「コレットちゃんには花がよく似合うねぇ〜」

教室に行ったらクラスメイトのゼロスにそう言われた。

「えへへっ。そうかな?ありがとう」

ゼロスはいつもそんなことを言って、ふざけてるけど、すごくいい人。

最近、ずっと好きだったクラスメイトの藤林しいなちゃんに想いが通じたみたいで、本当に楽しそう。

良かったなーって思うんだ。

「あ、コレット、持ってって来たのか?」

「うん。喜んでくれたよ〜クラトス先生」

「そっか。良かったな」

「うん!」

私も嬉しかったから、ついつい顔が笑顔になっちゃう。

「何だい?まだ保健室にも持って行ってるのかい?」

「うん。ほら、私よく怪我してお世話になってるからお礼に。お花ってあったら元気になれるし!」

「なるほどねー」

ほんのちょっと、お礼以外の意味もあるんだけど、みんなには秘密。

「コレットちゃんって本当に女の子だねぇ」

「え?しいなだって女の子だよ?」

「あー、性別上じゃなくて、性格的にってこと」

「あたしは性格的には女の子じゃないって言うのかい!?」

「おや、スルドイ」

「どうせコレットみたいに女の子らしくないよ!フンッ!」

…あーあ。またやってる〜。

「ゼロスって、しいな怒らせるの好きだよな」

「ま、ねー」

ゼロスの愛情表現…なんだよねぇ…?

一度聞いてみたら

『コミュニケーションの一環よぉ!ケンカするほど…って言うじゃん?』

と教えてくれた。

確かにそんな二人は仲良しに見えて、いいと思うんだ。

その話をしてみたらクラトス先生も

「そうだな。認め合ってるからこそだろう。私はない方がいいがな」

と言っていた。

私も…ない方がいい、かな?
ケンカしたら落ち込んじゃいそうだもん。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ