玉響〜symphonia〜

□taste
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「なぁ、ゼロスって、相手が女性の形をしてたら何でもいいのか?」

恋敵のロイドくんが突然そんなことを言い出した体育の時間。

「どーいう意味よ?」

「別に意味はないけどさ…」

もしや、コレットちゃんからしいなに乗り替え?
しょっちゅう、しいなに俺がちょっかい出してるから気になってるとかか?

…それはないだろうな。

誰かになんか言われたのか?

「気になる?」

「えっ…いや、別に…」

「…俺様のを聞くってこたー自分のも言わないといけないんだぜぇ?ロイドくんの好みはどんな子?」

「お、俺は別に…」

「優しくていつもニコニコしてて女の子らしい可ぁ愛い子?それとも、ちょっとキツめの美人系?」

「俺は…その…どっちかなら女の子らしい可愛い子……かな?」

「へぇ〜っ?」

「ゼ、ゼロスはどうなんだよ?」

「俺様は女の子みんなスキ。どっちか選ぶなら美人系。更にナイスバディでお色気満点で艶っぽいオネエサマだと尚良し!某泥棒シリーズの、み○フジ子は永遠のアコガレv」

「み○フジ子?」

「そー。女の武器を片手に泥棒を振り回す♪あんなオネエサマに振り回していただけるなんて、男冥利に尽きるよなぁ…」

「うんうん。み○フジ子はいいよな」
「利用されるのも嬉しいな」
「騙されてみたいよな」

そんな話に回りも首を突っ込んできて、盛り上がる。

ロイドくんは、ちょっとついていけない感じで困ってた。面白いねー。





「ゼロス!アンタ本当にロクなことしないねぇ」

「え?何よ、しいな。どしたの?」

「コレ」

しいなが俺に向けて手を出す。
そしてそこには、可愛いピンクの手紙。

「俺様に?しいなから?」

「ばっ…馬鹿言ってんじゃないよ!さっき教室の前でまごついてる子を見掛けたから話してみたら、アンタにって言われたんだよ!」

「しいなちゃーん…男前だね。そりゃ静チャンみたいな子も現れちゃうよなぁ」

静チャンは小柄でふわふわな外見とは裏腹に、しいなLOVEのちょっとアブノーマルな後輩ちゃん。

以前、しいなにラブレターを出してくれちゃったくらいに筋金入り。

俺様はその時にした『しいなは俺のスウィートハニー』宣言以来、しいなに悪影響を与える有害物質として見なされ、目の敵にされている。

からかい甲斐のある愉快なコだ。

「あの子は関係ないだろう!?」

馬鹿にされたと思ったのだろう。
突然の同性からの告白に散々に狼狽えて、困らされたハズなのにそんな子でも庇っちゃうしいなは本当に男前だねェ。

「そういう所も好きよぉ?俺様」

「はぁっ!?」

またふざけて軽口叩きやがって…という顔をされる。

いや、本気なんですけどね?…相変わらず通じない。
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