暁闇〜the abyss〜

□逆チョコ大作戦!
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ガイ×ティア



「ティア、帰りに家に寄って行かないか?」

学校からの帰り道、ガイに誘われ家に寄ることにした。

「何だか、久しぶりな気がするわ」

幼なじみの私とガイ。小さい頃は弟(?)のルークと一緒によく遊びに行っていたけれど、中学生にガイがなった頃から行かなくなった。

「特に代わり映えしないだろ?」

「ふふ。本当だわ。変わらない」

よく、お昼ご飯をごちそうになった台所。私の記憶にあるものと、ほとんど変わらない。

イスを勧められて座り、話をしながらガイが何かを用意しはじめる。まず出てきたのは温かい紅茶。おしゃれなティーカップに口をつける。

「いい香り…」

味わいながらまた用意を始める広くなった背中をみつめる。

「今日来てもらった理由はこれなんだ」

そうして出てきたのはフォンダンショコラ。

「どうぞ召し上がれ」

上に乗ったクリーム。切れば中から溢れるチョコレート。

「美味しい!」

「良かった」

「これ、ガイが作ったの?」

「ああ。ティアに、食べて欲しかったんだ。笑顔が見れて良かったよ」

優しく、幸せそうに微笑むガイ。何だか照れてしまう。

「と、とっても、美味しいわ。ありがとう。何かお返ししないと…」

「いいよ別に」

「そういう訳には…」

「じゃあ…」

チュ…と軽く唇に唇が触れた。

顔が紅く染まる。すぐに離れたガイも、赤くなった頬をかきながら困ったように笑う。

「ちょっと、キザだったかな?」

…首を軽く横に振るのが精一杯だった。
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