□甘く長い日
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自分の元へ呼び寄せると、優しくくちびるを重ねた。

ずっとこうしたかった。

 

「ん・・・」

甘い吐息が零れても、離そうとはせずに。

 

「・・・ふ、ぅ・・・」

甘い吐息が零れても、離れようとはせずに。

 

そう、甘い・・・。

「・・・ん?あれ、そういえば・・・」

名残惜しげにくちびるを離すと、まだ息の整ってないサクラの髪を梳いた。

「ああ、そうか。それで・・・」

一人で納得すると、サクラの腕が首に回された。

「・・・人、いっぱい来た?」

「来た来た」 

顔を伏せているのでどんな顔をしているのか分からないが、きっと膨れっ面だろう。

「・・・チョコ、貰った・・・?」

「いらないよ。オレが欲しいのはサクラからだもん」

「・・・ホントに?」

上目遣いでカカシを覗き込む。

「ホントホント。だからって、サクラに会えないのはちょっとなー」

「・・・うん、あたしもヤだった」

お互い苦笑い。

 

自分がサクラに会えない時間がどれほど長く感じたか伝えたかった。

でも、サクラも同じ気持ちだったから。

「先生、はいコレ」

手渡されたのは水色のリボンのついた小さな包み。

「アリガト」

受け取りながら、さり気なく頬へのキス。

照れながらも、その部分を掌で触ってみて微笑んでいる。

「ねえ先生、食べてみてよ。頑張って作ったんだから」

「んー、後でね」

そう言って、包みをベッドの横に置いてしまった。

「えーっ、なんでよー!?絶対おいしいんだから!!」

「ハハ、そんなの分かってるって」

言うが早いか、サクラを抱き込んでそのままベットへ寝転がった。

「きゃ、ちょっと先生」

「一緒に寝ようよ、サクラ」

とはいうものの、もうだいぶ日は傾きかけている。

それでも、胸の中にある暖かさを離したくなくて。

ムリヤリ狸寝入りをしていたら、小さな寝息が聞こえてきた
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