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□銀世界
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戦場はアカデミーのグランド。
集合するまでを含めて、移動は全て雪かきをした後の道を通って来た。
そのため、ナルトは早く雪合戦がしたくてウズウズしている。
「ルールは簡単。雪玉を当てるだけ」
カカシが自分で作った雪玉を指差して説明する。
「んで、当たったヤツはグランド20周、当たっても当たらなくてもコケたら30周する事」
「ええええーーーっ!!!!」
当然の如く、批難の声があがる。
しかし、それだけではなかった。
「ちなみに、敵はアカデミーの生徒全員だから」
「そんなんムリだってばよーーー!!!!」
グランドを見渡すと、既に雪玉を持った子供たちが大勢いる。
「そんじゃ、張り切ってスタートっ!!」
3人は一斉に飛び散った。はずだったが・・・
「・・・きゃ・・・っ!?」
何かに腕を掴まれてバランスを崩した。
倒れる、と思い本能的に目を閉じて、やってくる衝撃に備えようとしたのだが。
「・・・あれ?」
おそるおそる目を開けてみると・・・
「平気か?サクラ」
「先生!?なんで・・・?」
しかっりと抱かれた状態で、カカシの腕に収まっていた。
「え、ちょっと放してよ!!ゆき・・・」
皆まで言う前に、カカシの言葉がサクラのそれを遮った。
「雪合戦よりもさ、イイトコ行こう」
「・・・はぁ?」
サクラが反論するよりも先に、まるで鞄でも持つかのように抱え上げて走り去ってしまった。
アカデミーの生徒によれば、突然強い風が吹いたとか。