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□初雪
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ちょっとゴーインだったかなぁ・・・
そうは思っても、握り返してくる暖かい手は振り解けない。
すっかり日は落ちて暗くなった森の中を並んで歩く。
「なんか・・・暗いね、いつもより・・・」
「怖い?」
「こっ、怖くなんかないもんっ!!」
言葉とは裏腹に、きつく握り返された手。
それにかるく口付けると、座るのに丁度良い木の根元へ進んだ。
「よ・・・っと」
「先生、オヤジくさいよー」
「おっ、オヤ・・!?」
くすくすと笑いながら、胡座をかいたカカシの隣に腰を下ろそうとして制された。
「おいで」
伸ばされた腕の先には、自分しか知らない優しい笑顔があって。
その顔と、その声で言われる事にはどうしても逆らえなくて。
素直にカカシの腕の中へと収まった。
「ハイ、よくできました」
更に自分の元へと引き寄せる。
「・・・寒いよ、先生・・・」
カカシの胸に額を当ててぽつりと呟いた。
「ん、ごめん。もうちょっとなん・・・!!」
不意にカカシが腕を解き、空を見上げるように促す。
何が起きたのかさっぱり分からないといった様子のサクラだったが、
見上げた空から落ちてくるものを見て、状況を理解したようだった。