□背中の羽根
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その白い、決して広くない背中に唇を寄せて。

そっと抱き締めれば。

貴方は此処から飛び立たないでいてくれますか?




「ん?どうした、アル?」

窓の外を眺めるその姿は、まるで此処から飛び立とうとする鳥のようで。

思わず駆け寄って捕まえた。

そう零すと、腕の中で反転し、慈しむように背中を撫でてくれた。

「大丈夫。お前を置いて、どこにも行かねえよ」




自由奔放に飛び回る貴方の翼で、ボクを包み込んでくれる。

けれども、もしも貴方が此処から飛び立とうとするならば。

その翼をもぎ取って、ボクの前からはばたけないようにしてあげる。





ちょこっと黒アル。
ヒトの肩甲骨は、太古の翼の名残だそうです。

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