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□初雪
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すっかり日も落ちかけて、ようやく今日の任務の報告書を出し終えた三人は、
いつも通りのカカシの解散の一言で別れた。
今日は朝から冷え込んでいる。
自分の隣を歩く桜色の髪に触れると、体ごと擦り寄ってきた。
「寒くないか?」
「寒いわよ〜」
「そおかー」
任務が終わるのは、たいてい日が暮れかかってからか、太陽が月に代わった頃だ。
だから、いつもカカシがサクラを家まで送っていくのが日課になっていた。
それが、唯一二人が手を繋いで歩ける時間だった。
家に着くと、桜の木の下で別れのキスをして。
サクラが部屋まで走って行って。
そして窓から手を振るのだ。
だが、今日は違った。
「サクラ!!」
いつものように手を振ろうとして出たベランダで呼び止められた。
「・・・?なあに?」
「上着持って・・・ちょっとサンポしよう」
「・・・いい、けど・・・」